薬草サウナトラベラーLico氏の訴えについての弊社の見解

弊社は、2024年10月12-14日に株式会社しふくのとき(Sauna Base SHIFUKU)主催のアウトドアサウナイベント「どえりゃあ蒸気源2024」に薬草サウナトラベラーLico氏とのコラボで参加しました。同イベントにおいて、薬草がうまく香らなかったという出来事がありましたが、イベント後に弊社とLico氏とでその原因究明を行い、これからもテントサウナの発展に向けて協力していきましょうとお話を進めておりました。

ところが、イベント終了から2週間以上経過した10月31日、Lico氏より、弊社社員のYsKのX上のポストを引用する形で、①当該イベントの報酬が支払われていない旨の主張(主張①)が行われました。弊社に対して直接連絡できる状況であったにも関わらず、自身の報酬が支払われていないことを突然SNS上で公表したことについては、弊社に対しての悪意を感じざるを得ず非常に残念な思いです。

その後、YsKが窓口となりLico氏とお話を進めていたところ、主張①に加え、弊社社員UKよりパワハラを受けたという主張(主張②)も合わせて訴えられました。その後も、Lico氏は、SNS上で不正確な事実を摘示し、また、弊社に法的責任があるかのような主張を続けておりますので、本件に関する弊社の見解を述べます。

1 主張①(日当の不払いのご主張)について

Lico氏は、イベント参加に基づく報酬を支払ってほしいと主張されています。Lico氏によると、国際会議の現場で3-5万円の日当で働いた実績がある(ただその際は英語を使う等の特殊技能が必要で、一般的なイベントに参加した際は2万円の日当をもらったことがある)ので、今回のイベントではイベント準備を含めた4.5日分の労働に対する日当を払ってほしいと主張しています。

しかしながら、弊社とLico氏との間で、報酬支払の合意は存在しません。弊社では、イベントに関し報酬を支払う場合、イベントに関する一切の交渉を開始する前に報酬の額や対象について決定し、その後にプロジェクト進行をさせていただいております。これは15年以上イベント業界で活躍してきたUKが普段から気を付けていることでもあります。弊社は今回のイベントについてはSHIFUKUへの支援およびPR目的で参加をしており、当該イベントの売上は元々一切受け取っておらず、Lico氏ともコラボ企画として進めさせていただきました。(なお、報酬以外の宿泊費や諸経費については、Lico氏は直接SHIFUKUに10月19日に請求を行い、10月27日に支払いが完了しているようです。この点、Lico氏のX上のポストは、Lico氏がイベントに関し費用を一切受領していないような印象を抱かせるものであり、不適切であると思料します。)

Lico氏は、報酬が発生することを前提に本件イベントに参加したと主張されておりますが、報酬の支払合意を証する書面はありませんし口頭での合意も成立していません。弊社は、Lico氏との間で、2024年1月から本件イベントに関する交渉を始めましたが、それからイベント終了後の10月14日まで、報酬に関することは話題にも上りませんでした。Lico氏は、国際会議などの現場も経験されたプロフェッショナルな方とのことですが、事前にギャラが確定せぬまま当日を迎え、実際に働き始めることはあり得ないのでないかと考えます。事前の段階ではどのように薬草を香らせるかなど、クリエイティブな話をたくさん行い、事前のLINEのやり取りでも話しにくい雰囲気は一切ありませんでした。宿泊費などについては、UKより、Lico氏において主催者のSHIFUKU側に聞いていただくよう促したこともあり、報酬について聞きやすいタイミングはたくさんあったと思います。こうした中で、報酬について一切話題に上がらなかったという事実は、報酬支払の合意がなかったことの裏付けになるものと考えます。仮に、Lico氏において報酬を受け取る意思があったとしても、そのことについて、弊社との間で事前に合意を得ておかなかったことはLico氏側に責任があると言わざるを得ません。弊社は、全く想定していなかった費用について、しかも法的根拠のないものを事後のご請求に基づいてお支払いすることは、経理上及びコンプライアンス上の観点からできません。

2 主張②(弊社社員UKによるパワハラのご主張)について

Lico氏は、UKよりイベント当日にパワハラを受け不眠症になった旨主張しております。Lico氏が挙げる対象となる発言は、次のとおりです。

⑴UKがSHIFUKUオーナーのシュン氏に対し、「俺、こうするってゆうたやんかぁ」と強く怒り始めた。

⑵「薬草お願いします」とお伝えしたところ、「これさ、薬草香る?」と感情的かつ高圧的にキレられた。

⑶薬草が香らなかったことの原因が私であったかのような、私への鋭い視線、きつい口調、高圧的な態度を本番終了まで受けた。

まず、弊社において、Lico氏が主張される上記事実の有無を調査しましたが、当該事実は確認されませんでした。また、パワハラの定義は様々ですが、下記の厚生労働省の定義・基準を参考にすると、パワハラとは、「優越的な関係に基づいて行われるものであり、業務上必要かつ相当な範囲を超えて、身体的もしくは精神的な苦痛を与える行為」と定義することができます。

事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針令和年厚生労働省告示第)【令和日適用】 」. 厚生労働省. https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000605661.pdf , (参照 2024-11-20)

この点、そもそも、弊社とLico氏とは、雇用主と従業員のような一方が優位性に立つ関係にありません。今回我々はコラボとしてLico氏と対等な関係でコンテンツの造成を行いました。Lico氏との間では、イベントに向けて事前に長期間LINEのやり取りを行っておりますが、そのやり取りを見ても、弊社が一方的にLico氏に指示したり命令したりする場面はなく、あくまで対等な関係であることが分かります。また、事後においてもLico氏本人からも香りが弱かったことの振り返りと謝罪、UKとコラボしたことによって気づきもあったという感謝までLINEで述べられています。これらを鑑み、国際会議などの現場も経験され、世界中の薬草サウナを体験されているプロフェッショナルなLico氏と弊社及びUKの立場は決して優越的な関係にないと言えます。

また、イベント当日はたくさんのお客様対応を行い、かつ、薪管理を平行して行っていたUKの繁忙な業務状況を考えると、関西出身のUKの語気が多少強くなった可能性も否定できませんが、UKが業務上適正な範囲を超えてLico氏の心身に苦痛を与える程度の発言を行った事実はありません。UKがパワハラ的な言動を行ったということについて、Lico氏の主張以外には、客観的な証拠も第三者の証言も存在しません。

以上より、弊社は、UKがLico氏に対してパワハラを行った事実は存在しないものと考えております。ところで、Lico氏は、UKのパワハラを原因として不眠症を発症したとして診断書も取得されているようですが、診断書発行日がイベント終了から10日以上経過した10月25日付けであることや、上記のとおりUKのパワハラを裏付けるものが存在しないこと等から、不眠症と弊社行為との因果関係は認められないものと考えます。

なお、Lico氏に対して、UKの行為がパワハラにはあたらない旨の考えをLico氏にお伝えしたところ、今度は、その発言やLINEの返信がモラルハラスメントであるといった訴えも追加されました。しかしながら、弊社としてはモラルハラスメントも含め、如何なるハラスメントにあたる言動も行っておりませんので、このような訴えも受け入れることができません。

3 事後の交渉について

弊社は、Lico氏より報酬不払いやパワハラの訴えを受けた後、Lico氏との間で問題を解決し、関係修復を目指すため誠意を持ってご対応したいと考え、主催者、弊社YsK及びLico氏の三者で話し合う場としてグループLINEを設けました。LINEの中で、Lico氏より、『検証してお2人が、パワハラがあったと認めたらペイは出るのですか?』、『お金には困っていませんが、今回の件はお金でケリをつけさせてくださいと言っているのです。』という発言がございました。

弊社としては、そもそもパワハラの有無と報酬の件は関係のない事象と考えておりましたが、Lico氏は、あくまでこの二つの問題を関連付けて考えていらっしゃいました。弊社は、法的に支払義務はないものの、本件の円満解決のために、解決金名目で、Lico氏の請求金額をお支払いする意向がありました。ただし、弊社がパワハラやモラハラを行ったという事実は存在しないため、弊社に違法行為がなかったことを双方が確認することを条件に、解決金をお支払いする旨のご提案を行いました。解決金支払いの際に、上記のような条件を付することは一般的なことであると考えております。しかるに、Lico氏は弊社の提案を受け入れずに、残念ながら交渉は決裂しました。

弊社は、本件について長きにわたりLico氏とお話をさせていただきましたが、最終的に合意に至ることができず、やむなく本件の交渉を顧問弁護士に依頼しました。Lico氏は、弁護士からの内容証明郵便等を自宅に送付してほしくないご意向でしたので、Lico氏に同弁護士の連絡先を伝えましたが、以後Lico氏からは連絡がないようです。

4 最後に

今回の一件は、事前のLINEのやり取りの様子、イベント終了直後のLico氏の周囲に対する発言、事後のLINEのやり取り、いずれをとっても、Lico氏のご主張とは整合性がとれないものと考えます。全体を俯瞰してみると、イベントで香りが想定通りに出なかった原因について、弊社が”双方のコミュニケーション不足”であるとお答えした辺りから、Lico氏の訴えが始まっています。これがちょうど10月25日頃です。Lico氏としては、その原因が弊社にあるとお考えのようであり、この辺りから、Lico氏のご主張が弊社にとって納得のいかないものに変容していったように感じられます。弊社としては、解決金の支払自体を渋るつもりは全くなかったのですが、このような形となり大変残念に思います。

Lico氏にも相談されている弁護士がおり、弊社としては代理人同士のやり取りを想定していたのですが、Lico氏がX上にて、弊社のみに責任があるかのような主張を行ったため、このようなプレスリリースを発するに至りました。

本件につきましては、弊社としましても、事前のコミュニケーション不足があったという点では責任を感じております。今後は同様の問題が起こらないよう、弊社とお取引させていただく方々に事前の説明を徹底して参る所存です。今後もサウナ業界の発展のために精進して参りますので引き続きご支援を賜れますと幸いです。

2025年1月8日

madsaunist

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