御成桑拿 ― madENGINE初搭載サウナ、誕生

御成桑拿 ― madENGINE初搭載サウナ、誕生

madsaunist監修の「御成桑拿」誕生。 madENGINE(マッドエンジン)日本初搭載、過熱水蒸気と電子制御が融合した新世代サウナ。 呼吸する設計、ヒューマンロウリュ、多層的蒸気空間——“すべての人がととのえる場所”をデザイン。

madENGINE × 御成桑拿 ― 過熱水蒸気と電子制御が描く、“生きた蒸気”のデザイン。

madsaunistの歩みと、その理由

これまで北は真冬の北海道、南は真夏の沖縄まで。

過酷な環境を舞台に、最も性能の劣るテントサウナを使って「施設を超える体験」を生み出すための探求を続けてきました。

気温、湿度、風、気圧、天候、使用する薪——あらゆる条件が異なる環境の中で、

より心地よい体験をどう設計できるか。

その答えを探ることが、私たちの活動の原動力です。

 

しかし、madsaunistは単なるテントサウナチームではありません。

これらのセッティングを支えるサウナ理論は、種々の論文を参考にしながら科学的に検証を重ね、「日本人が心地よいと感じるサウナ体験とは何か」を突き詰めた結果として生まれた、madsaunist独自の理論です。

 

過酷な環境での試行錯誤が、ひとつの答えを導きました。

建築資材を使えば、環境を選ばず、より気持ちのいいサウナが造れる。

 

だからこそ、私たちはテントサウナというアプローチを最初に選び、歩みを進めてきました。

この理論の完成に向けたアプローチや思考の積み重ねこそ、madsaunistの真価だと思っています。

スチームジェネレーターの誕生 ― 過熱水蒸気が生んだ新しいサウナ

テントサウナにおいて、私たちの思想を形にしたのが、新潟県燕三条の職人たちと共に開発したスチームジェネレーター「ウロボロス」

過熱水蒸気(Superheated Steam)を使ったサウナ体験は、従来の“ドライかウェットか”という二分法を超え、全く新しいサウナ体験を創りあげました。

温度、蒸気量、放出方向を制御することで、空間全体を「熱の層」で構築。外気を適切に取り込み、“熱々で潤々で苦しくないサウナ”というmadsaunism(マッドサウニズム)を体現してきました。

過熱水蒸気は自らが輻射熱を放ち、サウナストーブからの熱を蒸気に乗せて空間全体に届けます。この性質を利用することでテントサウナでも施設より気持ちのいいサウナ体験が生まれました。

性能的に不利なテントサウナで100回を超えるセッティングを繰り返し、断熱性の低さ、気密の不安定さという制約を、理想の蒸気循環を探る最高の実験場に変えたのです。

madENGINE ― 電子制御で進化した熱の知性

この経験をもとに誕生したのが、最新システム『madENGINE』です。

従来、薪エネルギーを使っていたスチームジェネレーターを電子制御で再構築し、
温度を1℃単位で制御し、蒸気量も制御できるようになりました。

 

過熱水蒸気を使えばだれでも気持ちのいいサウナが造れるわけではありません。

本来殺菌などに使われる過熱水蒸気を人が入るサウナに使用するのは簡単なことではなく、過熱水蒸気の温度や蒸気量などの複雑な変数を調節した先にこそ我々の設計思想は存在します。

 

ただ、この制御をより繊細に行えるようになったことで表現の幅は更に広がりました。

我々の設計思想はサウナ室設計に纏わる無数の変数をそれぞれ突き詰め、最終的にバランスをとることで完成します。

 

その中核を担うのはスチームジェネレーターでありmadENGINEです。

もはや単なる製品ではなくmadsaunistの思想の結晶なのです。

御成桑拿 ― 蒸気が“生きている”サウナ室

madENGINE日本初搭載のサウナ、それが御成桑拿(おなりさうな)です。

 

サウナ室内では、2種類の蒸気流を組み合わせたスチームデザインを採用。
左側はmadENGINEによる過熱水蒸気エリア

右側は飽和水蒸気エリア

左右から生まれた蒸気は中央で混ざり合い、まるでサウナ室内でグラデーションを形成するかのように重なり合い、多層的サウナ空間を形成します。

 

過熱水蒸気と飽和水蒸気のバランスをとりながら、
左右に鎮座する特大ストーブが、異なる熱伝導特性を持つ2種類のストーンを加熱。
輻射熱にも層と厚みを持たせ、
蒸気をデザインし、輻射熱をデザインする」——それが御成桑拿の神髄です。

 

蒸気はただ存在するのではなく、流れ、混ざり合い、空間を変えていく。
御成桑拿は、“生きた熱”がめぐるサウナ室です。

熱々潤々で苦しくない ― サウナが呼吸する設計

madsaunistが重視してきたもう一つの要素——それが呼吸です。

サウナ中、人体生理学的には心拍数上昇に伴い酸素需要が増すにも関わらず、
従来のサウナでは吸気量が圧倒的に不足していました。

madsaunistの吸気設計は、
フィンランドで語られる“フレッシュエアー”とは異なる思想に基づきます。

サウナ室そのものが呼吸する」ように、
機械的に大量の空気を吸い込み、排気する——
この構造こそがmadsaunismのもう一つの核です。


これまでにも機械吸気や機械排気を導入している施設は少しずつ増えてきてましたが、流速をコントロールできる機械吸排気設計のサウナ室はありませんでした。人の出入りを考慮して換気量を調節することでより安定したサウナ室を実現します。


熱々潤々で、苦しくない」——この逆説を成立させる科学と設計。
それがmadENGINEと御成桑拿の本質です。

冷たさが熱を目覚めさせる ― ヒューマンロウリュの哲学

madsaunistのテントサウナでは、サウナ室内で冷水を浴びる“クナイプ”を実践してきました。 一見、矛盾した行為ですが、その瞬間こそ、熱が深く目覚め、身体の奥へ浸透していく道が拓かれます。

 

madsaunistは冷却を単なる冷却として使いません。
それは熱を運ぶ導線であり、深部体温を起動する逆転のスイッチです。

皮膚が冷たさに触れた瞬間、身体は防衛反応として熱を再配分し、血流を深部に集中させます。

 冷と熱が交錯するその刹那に、身体は目覚めます。

 

医学的にも、皮膚の冷却と深部加温を同時に行うことは、循環動態を刺激しながら回復反応を促す理想的アプローチとされています。

言うなれば、これは“自律神経をデザインするロウリュ”です。

 

御成桑拿では、この“クナイプ”を「ヒューマンロウリュ(Human Löyly)」へと昇華。
中央の水瓶から誰もが自由に行える体験としてデザインしました。

 

熱が過ぎたとき、水を浴びる。冷たさの中に、次の熱が立ち上がる。
御成桑拿では、この境界のゆらぎを体験として設計しています。

すべての人がととのえる場所 ― その答えが御成桑拿

他所のサウナに行かなくても、その日の気分で座る場所を変えればいいサウナ。
——それが御成桑拿のテーマです。


サウナ室の左側・中央・右側では、感じる蒸気の温度も湿度もまったく異なります

下段ではストーンから放たれる輻射熱をダイレクトに上段では蒸気をまとった柔らかな熱を感じられるよう設計されています。


御成桑拿の体験は、座る位置とヒューマンロウリュの組み合わせによって無限に広がります。


例えば、最初は左側の過熱水蒸気エリアで2分過ごし、
その後ヒューマンロウリュを行って右側の飽和水蒸気エリアへ。
最後にもう一度ヒューマンロウリュをして、中央で混ざり合った蒸気を味わう——。

その組み合わせは、まるで音楽の即興演奏のように無限です。


こうして一人ひとりが、自分にとってその日に最適なととのいを見つけられる。
それがmadsaunistが考える、「すべての人がととのえる場所」のデザインです。

Verified by MonsterInsights