サウナでは大量の発汗により脱水状態に陥ります。今回は、サウナ―が知っておきたい脱水のお話です。
脱水症は、体から水だけが失われた状態ではなく、電解質(塩分)も失われた状態です。そのため、脱水症の際には、水に加えて、電解質も補給、維持することが大切です。
電解質を補給せず水だけを補給すると、さらに体内の水分は薄まり(細胞外の浸透圧が下がる)、浸透圧の低下を起こさないように、細胞外の水を尿として排出して(薄まった分水だけを排出して濃度を保つ)、さらに脱水が助長されます。脱水症の時に水だけを補充すると、この悪循環に陥ります。また、水分補給は行っているために、口渇感のない脱水症を引き起こします(Na欠乏性脱水)
ポイントとなるのは、人間は血液や細胞内の浸透圧を保つような仕組みになっているということです。
ではサウナ入浴中にはどのような飲み物が良いのでしょうか。
まず清涼飲料水には浸透圧によって2つの飲料があります。
人間の血液の浸透圧(血漿浸透圧)と同じ浸透圧の①等浸透圧飲料(アイソトニック飲料)と、それよりも低い浸透圧の②低浸透圧飲料(ハイポトニック飲料)に分けられます。
等浸透圧飲料は体液と同じ浸透圧濃度のため、摂取によって体の水分バランスに変化を来しにくい飲料です。また糖質が多く含まれているためエネルギー源として活用されるためサウナ前後の摂取に向いています。
低浸透圧飲料は体液より低い浸透圧濃度になっています。大量の発汗等で体液の浸透圧が低下傾向にある状態では、低浸透圧液の方が吸収が良くなります。
また糖質を抑えた低浸透圧飲料の方が胃の滞留時間も短くなり、お腹がタプタプになりません。
サウナでたくさん汗をかいている状態では、低浸透圧飲料の方が適しているといえます。サウナ前後は等浸透圧飲料、サウナ中は低浸透圧飲料が適しています。
ちなみに、
- 等浸透圧(アイソトニック)飲料→ポカリ、アクエリアス、ダカラ
- 低浸透圧(ハイポトニック)飲料→イオンウォーター、アミノバリュー、OS-1、ICEBOX
があります。